去る冬
白昼夢

冬は去っていった
私の行く道に
もうあの冷たさは無いだろう

そうだ
別れの言葉はそこには置いていかない
亡国に花束はいらない

あの果樹園も、植物園ももうそこには無い
南から吹く風が暖かくなった頃には
白い夢だけがそこに咲き乱れることを願う

石の墓場に背を向けて
私は無表情なサナトリウムへ足を踏み出す
何も待っていない、真っ白な道を



自由詩 去る冬 Copyright 白昼夢 2009-02-05 04:04:25
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