睡中魔
山中 烏流






ひかり/ぶれている、腕
扉の向こうでは
誰も彼もが微笑んで
私を見つめている


頬の肉が
引きつって千切れるほどの衝動

愛想笑いも
程々にしなくては、という
それだけの話


箸を投げつけた幼さを
母は、ただ叱りつけている
空気の流れを読むとするのなら
私の行為はきっと
ひたすらに悪なのだろう

唾が飛び散って
それは、埃とともにきらきらと光り
私の頬の上/空気中で
私を、笑っている


ひかり
ぶれている、指先
睡眠不足を盾にした脳が
静かに、瞼を落として




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自由詩 睡中魔 Copyright 山中 烏流 2009-01-29 20:52:38
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