きみが
あまりにもきみでいたがるのは
そのうつくしいこえに
みいられたからなのだろう

わたしもまた
おんなじように
そのこえにみいられているものだから

きっとわたした ....
わたしがたたずむゆりかごは
なにものよりもあたたかく
やわらかいものですから
たとえば
すずめのあしおとが
みみもとでなったとしても
わたしはきづかないことでしょう
あさ ....
*もぎとる

少女の頬は、
うつむく程に
色味を増す/と、同時に
大人であることの意味を添え
甘く
そこに増して、赤く
刻々と刻むように
ただ、坦々と
熟れていく
 ....
もしかすると
隣人はにわとりなのかもしれない


あけぼのに向かって響く声は
良く知られる
「こけこっこ」

「くっくどぅーどぅるどぅー」
では、なく

もっとか細 ....
引き千切られた幾つかの
想像の度、愛おしい
悲鳴を君は
君は
聴くのだろうか
だろうか!


{引用=―――ひときわの果ての
   ブナの樹の
           根元の
   ....
音楽は止まない
それは
人々の指先から溢れるものであることを
私/あるいは、あなたが
知っているからだ

そうして
その熱に触れる度
私/あなたは
それが
ありふれてい ....
開かれてしまったら
もう、あなたには見えない
最後に映るわたしは
どんな
顔、なんだろうか

まばたきのシャッターを閉じて
(すとろぼが、みちて

それから

。 ....
?.何故散文が苦手なのか?

オブラートに包んでない感じ、つまり、他人様の考えがそのまま見えてしまうのが苦手であるから。その他に苦手だと感じる理由を挙げるとするならば、読んだ際に物凄く「押し付 ....
ごらん、
きみのさかなは
もう
あんなにとおくまで
とんでしまえる

あめいろのひれは
けっして、
つばさには
なれないという

そんなでまかせで
まんぞくするのな ....
うつらとする瞼の外で
父が
少し待っていなさい、と
後部座席のドアを
勢い良く閉めて
私は
一人きりになった
車など
運転することはできないから
そこに居る意味など
無 ....
黄色のひかりがぶれる部屋で、
わたしは
左足で眠るかさぶたからゆくらゆくら
透明?
に、なりつつ
もう、なくなった筈の
 /もしくは、見えないだけかもしれない
水掻きに脈を聞く。 ....
あそこに咲いた桜は
果たして、何分咲きなのだろうか

一つ、間の抜けた提灯と
手を繋ぐ親子の声が
きらきらと光る、岸辺の話

鳩を気にかける少年の上で



、あ。
 ....
振り返らない背を
見つめ続けるわたしが

さみしい



***



足首までのコートから
あなた/の、ような
香りがして
眩む

抱いて眠る
 ....
勝手に逃げたひとのせいで
今日も電車は来ない

向こう側のホームから
数日前に死んだであろう
女の嬌声が響く

もうすぐここも
ひとで溢れ返りそうだ

後ろのベンチからは
少女の ....
紡いでいく
で、あろう/はずの
ことば
と呼ばれたものは
意識、という
こころのざるで
ふるわれたのち

いつも
肝心なところだけを

失ってしまう


 ....
・夜中の話


機械音に身を捩じらせて
母が咳を漏らす

その光景に
何か言葉をかけそうになる私が
ひょこりと顔を出した

しかし
少しだけ、しか浮かばない謝罪な ....
三角コーナーから
芽が生えて
もう、そろそろ
ひと月になるのでしょう


靴下の要らない
そんな気温が
続いたものですから
私の足は
いつの間にやら
 ....
switch.

ずぶ濡れになった脳漿に
楔が溶けるような、
  おと。おと、

踏みつけて割ったCD/私はそれをまるで他人のような目線で見ている/お気に入り、 ....
きみのいない部屋で
わたしが鳥になる

透明を匂わすそらが
手招きをしているから
わたしは、どうしても
行かなければならない



窓を開く前に
おにぎりを作って
 ....
・庭園にて


裸足のままならば
何処にでも行けるのだ、と
喉から生えた腕が
口走っている

嘘吐きの元は、この腕です

そう囁く林檎をかじりながら
その腕を引き ....
例えば
結わえた髪を解く仕草や
袖口を正す背中
傾いた眼鏡を直す行為を
指差すひとが
いてしまう、から

靴下とプリーツの隙間
誰かの視線が
それを、過ちと厭う度
私は ....
超えていく、
日付の壁が
目まぐるしい程に光るのを
横目で蔑みながら
今日の境目を探す

誰も、私のことを
見てはいないから


急いで履いた靴下を
だぼつく
とい ....
錆色の夕暮れに沈む
その肩に
木の葉の視線が刺さる、

なびいているのは
髪だけではない
ただ
それが何であるかは
誰にも、言えない


まるで
雲を思 ....
ひとしきり被ったあとで
ようやくアレルギーに気付いたが
どうやら手遅れのようで
ああ、また、目が痒い

我慢していても
くしゃみが止まらないから
たちまち
みんな逃げてしま ....
工事現場に木漏れ日が舞って
例えば、私なら
指差したりするような時間
風上から流れるのは
どこかの夕飯の匂い

昨日より長い夕焼けが
何より、確かな時間を告げている
 ....
ひかり/ぶれている、腕
扉の向こうでは
誰も彼もが微笑んで
私を見つめている


頬の肉が
引きつって千切れるほどの衝動

愛想笑いも
程々にしなくては、という ....
遠ざかる木枯らしに
鉛筆が舞っている
私が前髪を切った午後
小さな窓辺の話

反射した日差しが
溜まりになって、揺れる
それは、限りなく白い/暖かい
まるでまっさらな
例 ....
 
 
 
 
 
 
ある日、玄関を開くと
そこは何の変哲もない2Kの部屋で
湿気た空気が満ち
黴の匂いが鼻につく
そんな場所になっていた
 
 
小さな靴箱には
靴や、 ....
 
 
 
 
 
朝、起きて
小さなテレビの電源を入れて
布団から頭だけ出して
二つ三つフィルターをかけたニュースを見る
 
 
右手を少し伸ばせば蜜柑に辿り着いた
引き寄せ ....
一番星を探す



夕日に隠れた雀が
さえずりながら帰っていく、手のひら

親指から終わるあなたは
小指から始まるわたしの声に
ただ、耳を貸している



紫が雲 ....
山中 烏流(307)
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