猟人 (脚韻詩の習作)
Giton

春の足音まだ遠く、
雪に足跡追う猟区;
かえでの青い若枝に
見え隠れ、けぶる焼け谷。

息白く、角凍えても、
背には湯気;阻むかえでも
ものとせず、真一文字か、
谷飛び越える親子鹿。

されど冬の雪は柔く
涯の梢、鳥は騒ぐ
宙に上がる白き煙
雪の底は永久の眠り――

ろくろくと、岩堕つ響き;
牝鹿引き込み、舞う吹雪:
静けさに還り母無く、
崖縁哀し仔鹿鳴く――


自由詩 猟人 (脚韻詩の習作) Copyright Giton 2009-01-29 00:47:33
notebook Home 戻る 未来