きらきら
さくら
ふゆの匂いがする
ほわり、
冬のお喋りをしよう
たくさんのきらきらするものが
眠たそうに待っているのは、きみの春
あの頃の小さな息吹が
ほわり、と手さぐりしながら
追いかけてくるものだから
わたしたちてっぺんまで登って
逃げる準備をする
さむくはないよ
季節の真ん中にいるときは、いつも
そう、兎よりも駆け足
ひかりにならんで、
せかいにならんで
そうして
空をなぞるように
雪で板をすべらせる
わたしたちは一時
お喋りを忘れる
遠ざかる曲線
いくつ、なみうっただろう
残された軌跡をたどるよりも今は、
ほわり、
冬のお喋りをしよう