quack2
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そこには自分を高く売ろうとする女と、それを安く買おうとする男がいて、隠し切れない欲望が渦巻いている。

何を勘違いしたのか、誰かが値札を貼り間違えたようだ。
怠慢なトラブル。
アンファンテリブル。

お前の唇が乾く間際を狙ってるのさ。
嫌うのに理由なんて必要ない。
終わらせる為にここから始めるだけだ。

今夜もどうせ、あの狭い空から何かが落っこちて来ないか眺めてるんだろう?
誰もが無償でお前に関っていた訳じゃないぜ。
時には裏切りも必要だって事さ。

そうする事で納得するならそれでいい。
最初から分かっていた事だ。

神経質に煙草に火を着け煙を吸い込むと、思いもよらない方向から陽が昇り始める。
いつか許せる時が来るのだろう。
そう思っていたが、もうすでにどうでもいい事のように思えて来た。

続きはきっと、その辺の路地裏にでも転がってるさ。
あの時割れてしまったグラスの欠片と一緒にな。



自由詩 quack2 Copyright BOOKEND 2009-01-26 15:58:23
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