ネオンと亀
つぐこ

今、ラスベガスのネオンを浴びている亀と話している。
その亀は、世界を旅した経験があるって自慢した、
近くのカジノで勝った、気前のいいおじさんは、イタリア語でお裾分けだと言い、自慢話をしている亀に酒を掛けた。

その亀は、ワシは今、百五歳と言いかけて、また年をとった、
うさぎは年をとらない。
日本は今でも侍はいるのか、と亀が言う、
いつの時代の話だ、その亀に言った、
青いユニホームを着た侍は国際試合をしている、と、
その亀は、目を見開いて、それは、怖いと言った。

その後、その亀は日本ではうさぎと博打をして勝った、と話を変えた。

ワシには、この街しかないんだ、と言うと、
ちょっと、バニーガールがいるカジノに行くと言って、また年をとった亀はネオンにとけ込んでいく。


自由詩 ネオンと亀 Copyright つぐこ 2009-01-22 22:33:24
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