おもかげ
みい

きみの部屋
わたし
ここで死んだらいい
ふたりで
いっしょうけんめい呼吸をして
いっぱいの
二酸化炭素へ
ほうむられるように

酸素なんか、
なくったって
生きられる
せかいへ



お昼に
炊きこみごはんを炊いたら
きみは
ぼくは、薄味がすきだなあ
と言った
お米のもともとの白の
おもかげ があるくらいの
そういうのがすき
と言って
めがねを
ゆげでくもらせながら


わたしは
ちょうどそのとき
なにかにさわってたかった

たとえば

きみの部屋
たくさんの呼吸をしたあとの
お願いごと
目をとじて、手をくんで、
やっとの思いで
夜にとどくような



うでを
のばせば、かんたんで
なにかにふれたとおもったら
きみの手のひらだった

あまりにもかんたんに
きみは手のひらをゆだねるから
こわくなって、
ぎゅっとした



きみのすきなごはんは
いくらつくっても
いつも口のなかに残っていて
いつまでももごもごしていた

なにか

言いたくても
もごもごしていた



うもれたいの

せかいへ


ふれている 手のひらは
にぎりかえして

つよく
にぎるたんびに







自由詩 おもかげ Copyright みい 2004-08-13 22:05:41
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