一人夜
蒼木りん

わたしの好きなお月様は

すれ違い

先に明日にいってしまったので

わたしは一人で  

ただひとつ星を眺めています

この夜がやさしくて

手を離すのが 

いやで仕方ないのに

明日をみつめて眠らなければ

こころが病んでしまうよと

囁く声が 

またわたしを悩ますんです


そんな虚ろな夜を 

いくつも超えているうちに

今年も

身の無い実が生り

カラカラと

空気が凍える音しか聞こえない

色の無い季節がまた

来てしまいますね



       (2003.9.4)


自由詩 一人夜 Copyright 蒼木りん 2004-08-12 18:47:21
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