カモメ
K.SATO

かじかむの夜のすみっこで
たき火を思う指に皮を抱く
ひざが指だった
氷のような でも 押さえていた

僕は幹を見た
未来に青むプラスチックに
僕を霞の僕に作りあげようとした でも
すべてがその瞼でしかも物も透明で
望むガラス窓の向こうにある
流れていく夢に映っていた

皮をかじって生きた人は
この地の前で瞳に石の面を残し
リンゴを削りだした川を逝く
見る人のその名前となる

いくつもの動く上の遠く
海の指先にはカモメが浜の中
何かを朝焼けにつかまえたい 
目は でもゆっくりとカラスを見ている


自由詩 カモメ Copyright K.SATO 2009-01-04 01:47:05
notebook Home 戻る