夜明け前
くろね
溜め息が黒くなるほど
吸い過ぎた夜の霧
額から抜け出る空虚は
僕の全てな気がして泣けた
空を等しく分けようとして
失った自分の足元
音も立てずにそろりそろり
世界が通り過ぎていく
傾いた視線で何処を向けば
失われた声で何に祈れば
新しい光を見られるだろう
これが最後の溜め息
もうこれ以上何も出ない
これが最後の夜明け前
世界はもう満たされていて
自由詩
夜明け前
Copyright
くろね
2008-12-28 11:19:28