言葉の海
ろくましん

頭の中は海のようで

たくさんの言葉が泳いでいる

言葉は魚

釣竿を垂らすと

たまたま言葉が一匹釣れたりする

その言葉を餌にまた別の言葉を釣る

その繰り返し

雑魚は海に返す

まずそうな言葉も海に返す

ある程度、たまったら

今度は桟橋に並べてみる

立ち上がって、言葉の整列を見ながら

順番を入れ替える

気に食わない魚は餌にして

また別の魚が釣れるのを待つ

夜が来て朝が来るまで

その繰り返し

あまり時間が経つと干物になる

干物になった魚はひとには見せられないけど

食べると、おいしかったりする

考えてみると

ぼくは釣りが好きなだけで

詩を作っているのではないかもしれない

今日はどんな魚が釣れるのか

と思うと

それだけで十分楽しかったりする



自由詩 言葉の海 Copyright ろくましん 2008-12-27 09:01:14
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