ブロークニュアイズ
aidanico

マドラーがカラカラ音を立てて回って
眼のおくの鏡をこわす
そのさらに後ろに立ち、
屈折点を見つける
湾曲したテーブル・ラインと
ホロスコープのような照明
見上げると荘厳な電飾が
取りまいている

これは夢か幻か?
――現実だ。視覚化されてる以上は。

二錠のクスリさえ呑まないのに
パスト美談のポストモダン
笑っているのはグラスだけじゃない、
ぼく自身だ。
巧妙な科学論理や自然現象には疎くたって、
新聞の一面ぐらいは眼を通すことができる
この光の曲がるレンズでも。

/…ガシャン!「事故だ」「事故だ」「慌てるな」「事故だ」
 「慌ててなんかいないわ、マスクをしたあなたに驚いているだけよ」
 「おいシーンはいつ切り替わった」
 「マスクをとるのよオープニュアイズ

屋上から町を見下ろして
バタフライ
仰ぐよ、
 
――これは夢か現実か?
――現実だ。タッチダウンを取らない限りは。




自由詩 ブロークニュアイズ Copyright aidanico 2008-12-11 23:38:41
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