アメンボ(百蟲譜40)
佐々宝砂
どうせなら
綺麗な水に浮かべばいいのに
ほんのすこし先に
飲めそうな水流れる小川があるのに
にごった水たまりにいる
無数のアメンボ。
そのものすごい密度といったら
日本の人口密度もかなわないくらい。
その脚がつくりだす波紋も
お互いに干渉しあって
わけがわからないんじゃないか。
そう思いながら水面をちょんとつついた。
やめとけばよかった。
アメンボってやつは人の血も吸うのだ。
(未完詩集『百蟲譜』より)
自由詩
アメンボ(百蟲譜40)
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佐々宝砂
2004-08-07 04:18:33
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百蟲譜