水色
1486 106

待ち合わせに5分遅れてきた友達は
首に水色のネクタイを巻いていた
誰もその事を突っ込まないくらい
水玉模様が自然に馴染んでいた


僕が着る服の色といえば
いつも決まって白か黒
黄色やオレンジみたいな目立つ色は
自信がないから試そうとも思わない


いつだったかクリスマス会で着た
サンタの服装を大笑いされたっけ
赤い色は似合わないって言われても悔しくないけど
緑の色が似合うって言われても嬉しいとは思わない


自分には似合わない色だって
本当は試してみたいんだけど
何か言われるのが怖いから
また同じTシャツを着る


一張羅のくすんだズボンの事なら
いくらでもネタにしてくださいな
こだわりがないわけじゃないんだよ
本音はむしろ対極にあるんだよ


水色のネクタイ羨ましいなぁ
自分は絶対に真似できないけど




待ち合わせに5分遅れてきた友達は
さわやかなピンクのシャツを着ていた
お前もいい加減新しい服買えよ
そう言われて僕はまた不器用に笑ってみせた


自由詩 水色 Copyright 1486 106 2008-11-17 22:55:38
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