探し物
山崎 風雅

 許されることのない光を
 追いかけていた
 
 誰かを踏み台にして息をすることが
 器用に生きることだとは
 信じたくなかった
 胸が気持ち悪くなった

 いつまでも流れる雲を
 見上げて
 それを運ぶ風が
 どこから来るのか
 誰も教えてくれなかった
 
 そもそも
 そんなことに興味を抱くことが
 許されないことだったのかもしれない

 許されない光は
 いつも
 慌ててふさがれる

 見てはいけないものが
 ここには
 多すぎるようだ

 いじめっ子のクラスメートが放った白球を
 いつまでも探すことは
 なぜか
 許されなかった
 
 どこかにあるはずなのに
 もう
 ないのだと
 腰巾着は断言した
 
 そんなことは 
 ありえない

 それぐらいは
 わかっているのに

 そんなうそを
 平気で言うのは
 クラスメートに限らなかった

 白球は大事にされなかった
 また
 買えばいいのだと

 
 あの白球が
 今でも気になる
 探している
 そんな僕は
 世間とそりが合わない
 
 時々 サビしいけど

 でも
 確かにあるんだ
 泥だらけにはなっているだろうけど

 どこかで
 待っているんだ
 見つけられるのを

 
 今では
 スーツを着て  
 外車に乗ってる 
 いじめっ子には
 どうでもいいだろうな

 俺は馬鹿だな


 でも
 

 
 今日みたいに
 金色の日差しが街を染める日には
 見つかる気がする




自由詩 探し物 Copyright 山崎 風雅 2008-11-14 09:34:25
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