くしけずる むすめ
こしごえ

空虚な光のみちる
いまだしれぬ希望か

未完成な光
この静脈を流れるかなしみ
限りなく脈をうつ光源

おもいでの空は ほのか)
ほの暗くくしけずる黒髪の
源流へさかのぼりつづける
ただいっぴきのさかながいる
そのうろこは消えない虹で
無限光年をゆく岩船である
それがわたしをおこしにくる

遠くで閃く浮雲とつらなりつながっている
一本一本の魂をすいていくすいていく
いまもなお伸びつづける情念は
どこまでもきららきらめき
しっとりはんなりりんとして
かなしみの重力にひかれ
そよぎ轟く大河
白き星もいつか
こんな風にして(いたのかしら

永い道のりの河原では
大小のすべやかな石たちがあおぐろくひびきおり
淡すぎる雲の純銀(しろがねのまるい
月影をしゃんわり とゆらりゆらりする一輪
 あつく重ねられた年輪は
 いくとせも風光る春をむかえる冬をこえて
 幽玄な大地に不動として自在に深く根を張り
 幽遠な心血の虚空を真っすぐに満ち干の茂り高く
つらぬいている 種族

おさないおもかげが
かぞえうたを手折りながら
絶することがない
(ふちのない波紋の澄みわたる
静けさで熱く息を燃やしている

 みち連れの枯れぬ彩雲(光のいまに
 鏡をみつめるひとみの
 咲き乱れる華となろう
ちいさく「 ァ 」 とくびすじ白く、ふせる目の

すべてのひかりに宿る
いまだしれぬ希望の
闇にうかびあがる いのりの点!







自由詩 くしけずる むすめ Copyright こしごえ 2008-11-11 07:16:30
notebook Home 戻る