ダンス
石瀬琳々

小鳥は一羽だった
籠にやさしく啼いていた
あの子はお気に入りのデイジーの花飾り
スカートを大きくふくらませ
まわる まわる 歌いながら
笑いながら 泣きながら


きらきらと踊る あれは虹
心臓にも小指にもからまって
リボンがひるがえりまぶしく光る
僕はたぐりよせようと手をのばす
この胸をぎゅっとしめつけて
おお リボンよ
届かないと知りながら
まわる まわる 星も雲も月もすべて


Mireme, mireme, mireme bailar ...


ギターは歌っている
弦をしずかに震わせている
ああ ああ やるかたないので
僕もかかと鳴らして一緒に踊ろう
まわる まわる 歌いながら
いつかやがて倒れるまで



自由詩 ダンス Copyright 石瀬琳々 2008-10-29 14:08:39
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