アケビ
norif

縦に瞼をひらく半円形の港 回転扉を転がす
いくつもの歳月 このひっかかり具合に画さ
れカサコソ枯葉が散るから 浴槽のなかで手
拭を頭にのせ、石柱はすこしいい気分になる


てんでばらばらに転がるのだから水府への道
は彩々さ(もうこれはとてもいい風…だから
ゆっくり裏表紙を閉じようとする天蓋 ビル
の各階を仕切るまで肋骨がぎしぎし痛む角を
まわる …と磐のアケビが沖へからだを拓く



翻ってしろく染め抜かれた海風は笑うと帰る




自由詩 アケビ Copyright norif 2008-10-18 09:33:30
notebook Home 戻る  過去