キッチン
norif

するとすべて
こうして、秋が呑む飴色の庭に流れ入る日々
立ち尽くすことはできないから倚りかかると
ステンレスの台がたわむ
窓の



暗く黄昏れる湖
刷毛の肩に金のほつれ毛
         月の
抛物線にかかる





強火の中、
黒マントの奥で
後ずさりするフライパン

粘る履歴書を溜めて
涙色に一気に絡める





自由詩 キッチン Copyright norif 2008-09-29 08:02:47
notebook Home 戻る  過去 未来