ぽ○ぽ○
もこもこわたあめ

ぽろんぽろん
慣れない手つきで 今朝部屋にやってきたばかりの
ギターをかき鳴らしてみる

ぽつぽつ
 窓の外をつたう滴に いつの間にか降りはじめていた
 雨の和音に耳を澄ます

ぽくぽく
 紅い傘を差して 近頃珍しいぽっくりで窓の外を去っていく
 黒髪の女性と一瞬目が合った

ぽんぽん
 まだ小さいころ よく僕を遊びに連れて行ってくれては
 僕の頭をなでる様に叩いてくれてた

  思い出の女性に そっくりだった

ぽりぽり
 なんだか恥ずかしくて 頭をかくしぐさをしてみる
 照れ笑いを浮かべて

  笑みを返してくれたその女性は

ぽつりぽつり
 やがて雨がやみそうになった 薄明るい空を見上げた僕の
 視界よりももっと近くで

  僕の体を抱きしめていた

ぽかぽか
 気づけば僕は涙を流して 彼女の胸元を叩いていた
 暖かなぬくもりの中で



自由詩 ぽ○ぽ○ Copyright もこもこわたあめ 2008-10-14 20:41:12
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