考える以上に萌え萌え。
佐々宝砂

騒ぎ立てる目覚まし時計を手探りでなだめた。
カーテンを開けようとしたが開かない。
しょうがないから灯りをつけた。
俺の部屋はジャングルと化していた。

実をつけたヘクソカズラがカーテン全体を覆い、
カーペットには白いキノコがにょきにょき生え、
箪笥の抽出を食い破ってイタドリが顔を出し、
オーディオやパソコンは葛に縛められ、

太陽光も届きゃしないのに、
なんでこいつらこんなにはびこる?
ニュースを見ようと俺はリモコンに手を伸ばした、
するとその手をおまえがつかんだ、

いや、頼むからしばしおあずけにさせてくれ、
こんな状況で萌えるおまえが理解できん。



(未完連作ソネット「破滅の13の情景」より)


自由詩 考える以上に萌え萌え。 Copyright 佐々宝砂 2004-08-01 03:16:51
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