詩咲
瀬戸内海
偽れ 軽く戯言で 誘え 虚ろな涙ども
善人ぶれば大雨で 大地も何れ固まろう
もしも言葉が種ならば
まさか真水が雨ならば
ただ実になろうと芽を伸ばし
花は咲く咲く 喉奥で
なおざりに捨てた種ですら 花と咲く日もあるのです
りちぎに咲いた花だから あなたの鼓膜を叩くのです
真よ 遊ぶ唄になれ 刃よ 右手で猛威を奮え
実際掬うは砂粒で 爪痕虚しくモノに散る
もしも刃が左手で
まさかモノには散らぬなら
ただ爪痕も花へ実へ
花は咲く咲く 紙の上
なににも成れず と嘆くなら
りちぎに花は咲きません