いくじなし
榊 慧


自分のものとは違う茶色がかった髪
自分より少し低い身長

とりあえずキリストでも恨む事にしたこの季節
なんて不自由な世の中なんだ





報われないのは初めてじゃあなし、
けれども泣いてしまいそうさ、 ふ。
いつも一人その場に残されて
なに、初めてじゃあなし、、


さいあく、だ
ぜったいにこうはならないだろうと
自覚するともういけない。
終わりが見えない部屋の中。


嫌われているとは思うけど、
もうどうしようもないからね
もともと人には好かれにくいものなのだし
いいかげんあきらめてしまったよ



(好かれない。)
(どうしたって好かれない。)
(好かれないのだ、)
(どうしたって好かれない。)



始まりもなく
ただただ嫌われていくだけの
もっと甘くてもいいんじゃないか、
何もこんなに苦くなくたっていいんじゃないか、



10年後くらいに言うかもね
勇気があったら言うかもね
だからお願い、
いないかのようにふるまわないで






「――――あのさ、俺実は、」







自由詩 いくじなし Copyright 榊 慧 2008-10-09 22:31:03
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