たもつ

 
会議室を人が歩く
金属や樹脂などでできた
冷水機のようなものがあって
その向こうに浜松町が広がっている
どこまで行っても僕には体しかないのに
ポケットに突っ込んだはずの
手だけが見つからない
誰かの代わりに死んであげたくなるけれど
本当は僕の代わりに
誰かが死んでいるのかもしれなかった
あたたかな陽に包まれて
恋人とそんな恋の話をしていたと思う
たぶんずっとしていたと思う
 
 


自由詩Copyright たもつ 2008-10-03 09:30:04縦
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