昇れ
しずく

今の、この気持ちを
表現してくれる言葉や音が
どこを探しても見つからないのです
なんだか世の中のたくさんのものから
見捨てられたようです
でも、わたしには命があって
心の叫びを紡ぎ出す術があるから
こうして仕方なく自分自身で歌うのです

ひとを 愛して
愛して 愛して
それでも、どうしてでも届かない想いは
どこに持ってゆけば処理してもらえるのでしょうか
忘れてしまうとか
幸せを願うとか
勝手な事ばかり言うけれど


君の瞳が誰かを見つめ
君の腕が誰かを包み
君の心を誰かが揺さぶる
それを、想像しただけで
わたしは狂ってしまいそうなのです
この汚いココロ
誰か、粉々に砕いてどこかに埋めてください
それができないのなら
いっそわたしを砕いて埋めてください

でも、誰かが耳元で囁くのです
『それは愛じゃない。愛してなどいない。』と
そんなこと、ほんとうは分かっているけれど

ならば答えは一つ
わたしは最後の最後まで
しっかりと目をこらして君を見つめましょう
この命が尽きるまで
君への想いを
空高く舞い上がらせるときまで

それまでは
永い永いお別れです


自由詩 昇れ Copyright しずく 2008-09-28 22:39:49
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