波打ち際の
こゆり

ひとつの
あいまいな

それでも
確かに
ちいさな明かりに
包まれていた


吸い込んだ潮風が
いつの間にか
冷ややかで
胸いっぱいに
広がるから

もう少し
このままで


群青の海と
淡い月が
おぼろげに
あいまいに
映し出す

波打ち際に
たたずんで


とおく
潮風のしらべ
打ち寄せる波
跡を残して

足元をぬらしても


波打ち際の
今にも
消えてしまいそうな
鼓動を

波に乗せて


両手で身体を抱え
ちいさく見上げると
季節外れの
花びらたち


記憶の雨で
ゆるやかに


自由詩 波打ち際の Copyright こゆり 2008-09-28 09:29:14
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