じゅらいち

心の鏡は
汚れている
無眼人
無耳人
とはぼくのことだ

ぼくの瞳は
遠くを眺めている
何も映らない
漆黒の闇が
見えるだけ

 光あれ!
 千年の闇を映し出す
 鏡よあれ

時間の粒が
粉々になって
明日の記憶も
波になって
幾億年も
群生海を
彷徨っている
残るのは絶望
無明の闇が
見えるだけ

 光あれ!
 億年の闇を映し出す
 鏡よあれ

やがて
光の粒が集まって
光の束となり
ぼくの瞳が輝いた
法鏡に映し出された
ぼくの顔
なんて醜いのだろうか!

はからいが廃り
大信海に浮かんだ
六字のみなを称じた

 光あれ!
 無明の闇を映し出す
 鏡よあれ


自由詩Copyright じゅらいち 2008-09-27 21:17:59
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