時間の切れ端
美琴

ある日のある日が
ある日偶然目の前に来て
一足先に夜を飛び越し
昨日と呼ばれる日になってみて
君の常識とやらに挑戦状を突きつける

月のない満月の夜
星がささやくのは
朝日の悩みとくだらない決断とやら
眩しい漆黒が
朝の太陽を慰めて
今日と呼ばれるある日となった

溢れ出すのは枯れた噴水の水と
熱のない太陽光

幻想とやらは 真実に騙されているらしい

「知らない」と「知っている」の区別は
個人の思い込みの強さの違い
多分今日は去年に抜かされている

取り繕うクジャクが
カラスと取り引きをして
スズメが仲介に入って
少し離れた所から地面が見下ろしている。
空と大気圏の向こう側から

取り留めのない幻想とやらが
現実と駆け引きなしで勝負する。
比べるのは思い込みの強さで
そこに人間を巻き込んだところで
途中で夢が邪魔をする

夢は起きている時にも
眠っている時にも見られるもの。
言葉は中立で限定はしない。
どっちの意味にも取れるように
片目をつぶって生活をしている

そして人はそれを
自分の思い込みで判断する。
嘘か 真実か

嘘か 真実か
何か 何か
一つでは比べられない
存在とはそんなもの

君か 私か
君と私

私か 私か
私と私

今日も鏡は中立を守っている
筒抜けの伝達技で。

或いは反射させることで
自分の秘密を守っているのかもしれない

取り留めのない嘘と真実が氾濫して
今日も川を使って海へ行く。

嘘と真実が蒸発して、降って
嘘と真実と流れた時間と
ある場所の記憶と
ある日とあの日が
交じり合って 溶け合って
今日というある日を生きている。

偶然のような 奇跡のような
ありふれている様で
二度とないある日と言う今日を生きている。


自由詩 時間の切れ端 Copyright 美琴 2008-09-22 22:59:36
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