愛ではなく愛みたいなものさえあればいい
大覚アキラ

許せないのって泣きわめいてみてよ
血が混じった
ピンクの涙が流れるまでさ

許せないのって泣きわめいてみてよ
ぼくの胸ぐらをつかみながら
ケモノみたいに乱暴にさ

誰かの目を覗きこみながら
嘘をついたときの揺らぎを見つける
そんなやり方を身につけなよ

携帯電話をベランダから
紙飛行機みたいに飛ばしてみたら
ぼくらもう二度と嘘をつく必要なんか
なくなるかもしんないぜ

考えてみりゃ
こんなくだらないもので
繋がってるわけなんかないんだって
そう思うだろ

手の中のものぜんぶ海に流して
身軽になったら
アンテナ一本も立ってなくても
なにもこわくなんかないよ

許せないのって泣きわめいてみてよ
土砂降りの雨の中
安っぽいドラマみたいにさ

許せないのって泣きわめいてみてよ
最終電車の出たあとの改札口で
人目も気にせずこどもみたいにさ

許せないのって泣きわめいてみてよ
光みたいに透き通って
雪みたいに静かに積もっていく
そんな
愛みたいなかんじで抱きしめるから


自由詩 愛ではなく愛みたいなものさえあればいい Copyright 大覚アキラ 2008-09-17 19:36:37
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