お月見夜話
西日 茜

お月見団子を作った。
ついでにお月見にちなんだ話を一つ。

その昔、十五夜にお月見をすると…
十三夜(10月11日)にも同じ場所にてお月見をしないと
それは「片見月」と言って縁起が悪いとされたという。
何度も見なければならないとなるとお月見も忙しそうだ。
情感豊かな四季折々の行事が
ススキだ団子だ、十三夜もよろしく
なんて商品戦略になったとは考えづらい。

さて、お月見。
とかく満月の晩は人の心を惑わす。
涼風に誘われて夜な夜な外を歩き出す。
色めく男女が徘徊する夜。
十五夜の晩に出会ったあなたと
十三夜の晩もココで待ち合わせましょう
ならいいのだけれど。
月夜に照らし出された女の横顔のなんと美しいこと。
うっとりと眺める狼男は我を忘れて飛びかかる。


遊び好きで知られる江戸時代の人々は
風習なんて面倒だなんて言いながら
実は、一夜の過ちを避けるよう
満月の晩は外出を控えたそうだ。
粋だねえ。。。

さてさて、真っ赤に重く、落ちて来そうな一昨日の月。
今宵の月はどうかしら?
打って変わって銀白。
かわいいウサギがお餅をついてるという話だ…


散文(批評随筆小説等) お月見夜話 Copyright 西日 茜 2008-09-15 17:05:25
notebook Home 戻る  過去 未来