モンパルナスB-7
《81》柴田望
どんな海 傷ついていない
その価値 うつる
この 形 書いてしまうと 存在
底 喰う 旅人 あるとしたら 借りる
巻貝 を 中 を 敏捷 を
恍惚の石 は 目 垂直に 埋もれて 表意文字のように ほろびる。
収拾のつかない むかって
青空 招く
神話から の 金色に 帰還 の
どの 熱情 舞う ベッド
身 には 熟睡 の 出す
そして 少年 は 差したら から 愛 を 匍ってゐる
帽のような によってのみ
言おうか と
出会える だとすれば
しかし 線上 から 暴走する どこにも 字 の 引き裂く かしら
日常 を 春 に あまがわ 身 は 降りてゆく。
でないと 語るな。
空 は だが 焔 に うずまき模様 が 正す くりかえす
ああ 柔らかさ
谷 ささえ
重力 垂れる
けれども 視界 いはうか 岸辺
こんなよる 捨てなければなりません ルクレティウス 正す 越え
翅 は 目覚めのやう に 視界 の
呪文 の 狭間 熱情 馳ける 白い あいさつなさい
ちいさな 抑圧された
正午 腐敗してゆく
波 を ぬれた おのれ に
あの 幽霊、 降りてゆく。 修道士
姿勢 を 渡ったとき が 抑圧された
その 私たち が 走る よ 次 の 固められた
音もなく だが
流れてしまったの する
並ぶのではない には
だが 男 の 認める だが 支えるもの の 顫動している する
嵐 の 岸辺 の 現存 溶岩 を ゆられていると
ああ 暴走する
それら を かつ めまい が ベッド の ゐない 封じてきた
あの 瞬間
自由詩
モンパルナスB-7
Copyright
《81》柴田望
2008-09-14 22:27:15