モンパルナスB-5
《81》柴田望

尖塔 の                   
あなた や 無数に ゐないこと                 
差出人 繰り返す                   
もっと うながす。                   
水 が 打ち明けた                  
太陽 を 根づけしよう                  
おまへ 谷 の                  
つめたい 一面 白蝋 の                 
愛 は タタカイながら 傷ついていない 「泳がせてください」 と               
氷のやうに おそいかかるとき の あいさつなさい に それら が              
                    
毛髪 純粋 に                  
溶岩 の タイヤ が 重くなる                
旅人 に                   
蝿の群 と                   
存在 を 沈黙せよ。 の                 
降る                    


自由詩 モンパルナスB-5 Copyright 《81》柴田望 2008-09-14 22:21:12
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