シカゴのタイ料理
吉岡ペペロ

焼肉やラーメンを食べることも

すっかりなくなってしまった

さいきん

インド料理やタイ料理にはまっている

油やニンニクでつくりだす料理が

からだにつらくなってきたからだ

シカゴはピザとステーキが有名で

あまり食べたいものがない街だ

それでもお腹はすいていたので

アベニューをうろうろとしていた

ファーストフードにしては広い店があった

なかをのぞくとタイ料理っぽい

仏さまの絵なんかも飾られている

英語で選ぶのでめんどくさかったけれど

おいしいココナッツミルク仕立てのカレーだった

タイ米もかためで完璧だ

夕食どきなのにひとはそんなに入っていなかった

翌日のランチもそこにいった

ビジネスマン、ウーマンで満席だった

白人、黒人がほとんどで

タイ人どころか

アジアの人間でさえオレくらいだった

ここはオフィス街だ

太っちょは完食していた

わりと太ってないひとは半分のこしていた

スリムなひとは店内にいなかった

アベニューにもなかなかいない

たまにすれ違うと

皆なぜか所在なげに見えた

さびしい顔をした植物みたいだった


自由詩 シカゴのタイ料理 Copyright 吉岡ペペロ 2008-09-14 15:20:07
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