名も知らぬ女の手記より
K・フラグメント

切望することは、
あなたが外側に在ると、
認めることでしょう。
あなたに会うために、
何百もの方法を築きました。
あなたが囁く時、
愛でいっぱいでした。
この有害な混乱に、
わたしはばったりと倒れ、
それでも手を伸ばし、
僅かな光が見えると、
嬉しくて、でも、
気づいたらわたし、
泣いてた。


目が覚めれば、
散歩にいったあなたが、
眠るわたしのことを、
起こさぬようにそっと、
すりぬけた跡があるでしょう。
「君はいつでも、
泣きだしそうな顔をしてる」
あなたは光、あなたは煙、
あなたは影、あなたは幽霊、
わたしの知らない歌を、
わたしの知らない桟橋で、
悲しくて、でも、
気づいたらわたし、
笑ってた。


自由詩 名も知らぬ女の手記より Copyright K・フラグメント 2008-09-13 22:18:50
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