うつろい
しずく

寝苦しい熱帯夜抜け
頬を撫でる風向きも変わる
部屋の明かり消して
闇に耳を澄まそう
きこえる きこえるわ
微かな鼓動 儚げな虫の音
戻りたい あのころに
なにも知らなかった
君を待つ寂しさも
季節が巡る不安さえ

戻りたい・・?

アイスコーヒーにシロップ注いだみたいな
もやもや空間が歪む
君の車の助手席から見る
あの景色が好きだった
感じる 感じるの
刹那の予感 結末が近付く
止まってよ お願い
幸せはずっとは続かない
ふと見た横顔
目が合って笑う君


夏の終わりは
もうすぐそこ


自由詩 うつろい Copyright しずく 2008-09-07 19:21:18
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