夜風
星月冬灯


 月に想いを寄せる

 少女の涙は

 悲しみの理由


 夜風の優しさに心が痛む


 昔子守唄代わりに聞いた

 夜伽噺を懐かしみながら


 この世を憂う切なさを

 独りその幼き肩にのせて

 瞳まっすぐに

 闇に輝く映(まばゆ)い星々に

 願い、祈る


 天は乙女の祈りに

 耳を傾けるだろう

 いつの日か・・・


 念ずれば必ず道は開く

 その魂を信じて

 少女は今日も祈る


 夜風は少女の願いをのせて

 今日も天までそよいでゆく


 今は歌わなくなった

 古の唄を

 少女は小さな声で歌い続ける


自由詩 夜風 Copyright 星月冬灯 2008-09-04 09:00:16
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