夏の終わりに
亜樹
そこいら中からブラームスの音がするよ
陽炎がのたうように
そこいら中からブラームスの音がするよ
深淵を歩くように
枯れ果てた向日葵の間を
風が吹きぬけ
小さな竹林の
静寂が流される
その合間に
真っ赤な彼岸花
こうやとんぼは
ひらひらと落ちる
そこいら中からブラームスの音がするよ
目を刺すような光は薄れ
そこいら中からブラームスの音がするよ
拒絶するような影は掠れ
今が最期と鳴き叫ぶ
閃光のような
夏の声がするよ
自由詩
夏の終わりに
Copyright
亜樹
2008-09-02 23:13:38