一行詩抄・鬱々
石畑由紀子
地下鉄の風に胸の内なぶられて
食物連鎖 取り残され 独り夕食
どこも痛まずに爪が伸びてゆく
今月も産まれない卵を産み落として
部屋中が秒針だらけになる深夜
どこを切っても血しか流れないなんて
世界に√をかざす。まだ応えない。
自由詩
一行詩抄・鬱々
Copyright
石畑由紀子
2004-07-25 21:46:26