空の吸い口
氷水蒸流

ハイライトが俺を焦がして
ケムリになって昇った先で
ハイライトが俺を焦がして
雲を焦がして黒く染めた

アスファルトにキスをした
干からびたラスコーリニコフを
大股で跨いだお前の肌を
焼いたのと同じさ

ハイライトが俺を焦がして
ケムリになって昇った先で
ハイライトが俺を焦がして
雲を焦がして黒く染めた

投げ捨てれば罰金をくらう
それならお巡りの帽子の中へ
けれど奴らは鉄格子の向こうで
ルームランナーに首ったけ

ハイライトが俺を焦がして
ケムリになって昇った先で
ハイライトが俺を焦がして
雲を焦がして黒く染めた

消えないものはないんだって
でも歌わない鳥はいないし
みんな冷えてバラバラになっても
ほら、伸ばした手は燃えているだろ

ハイライトが俺を焦がして
ケムリになって昇った先で
ハイライトが俺を焦がして
雲を焦がして黒く染めた

やがて水が落ちハイライトは消える
やがて水が落ちハイライトは消えない

やがて水が落ちハイライトは消える
やがて水が落ちハイライトは消えない

ハイライトが消えない



自由詩 空の吸い口 Copyright 氷水蒸流 2008-09-02 12:13:52
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