「ハンセンのカルテ」
詩集ただよう

ことりが笑う
種子を蔓延る
近しき性器の肉腫がおりました

潰れるような
打ちつけるような
首を立て
マンホールに跨る女がしゅくしゅくと
おえつを
脱腸のように

腿の束が弛まって
打ちたての鋼に似通った蓋
焼ける腸の上へと
落ちた臀は
皮を剥くよう
すべりました

口から溢れ
薄い布切れ破れ
飛び散るぼたん

おめこは焼けただれ
激が走り
汁飲み
言葉にならぬ喉の奥

それでも女頬をあて
言葉にならぬ
肉腫の奇わった耳にさえ


自由詩 「ハンセンのカルテ」 Copyright 詩集ただよう 2008-08-30 02:13:37
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