天気予報に言い訳を
霜天

いつだって繋ぎ目は曖昧だから
継ぎ接ぎは空にだってある
雲の
折り重なった影を
届かないその曲線をなぞったりする


ほんの些細なことが
いつまでも尖って痛いので
繰り返す垣根の下り坂を
不器用なスキップで泳いだりする
夏、泳ぐ
いつまでも開かない気持ちを
つっかい棒で奮い立たせているんだ

こんなふうに
僕と君と
それだけじゃないすべてのものとの境界が
曖昧になりがちな夕立の後だから
空の継ぎ接ぎを数えてみたり
その場しのぎの傘を両手で作ってみたりしながら
なんとか明日に繋がりそうなものを
手探りで探したりしてしまう


ほんの些細なことが
いつまでも抜けずに痛いのは
僕や君や
ルーペをなくしたからなんかじゃなく
明日に繋がりそうなものを
夏に泳ぎ、探しながら

天気予報に言い訳を
繰り返している


自由詩 天気予報に言い訳を Copyright 霜天 2004-07-25 02:50:04
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