悲恋
佳代子


辛いとき手の甲を見つめる癖は
電話ボックスへの置きみやげ
納得できるほど大人じゃないから
目の前の切なさに向き合うだけで
溢れる思いを殺せない
切れた受話器を握りしめて
流れるままの涙 肌に感じながら
通り過ぎてゆく雨音を聴いている
あたしの耳 まだあなたの声聴いてる
あたしの目 まだあなたの笑顔追ってる
あたしの手・・・・・
手の甲に羽根があったら
あなたを追って行けるのに


自由詩 悲恋 Copyright 佳代子 2004-07-25 01:11:07
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