影という名の
こしごえ
日だまりの喪失によみがえる歌声
岸辺に立ち
シャワーを浴びる裸体が
鏡に映っている
流し去ることの出来ない。
視線にでもなぞれない
曲線を水がしたたり
こもれ日へ歩む旋律
お気づきですか
私の影をひきずるのは、おもい出のかたち
かたちない遠い声のいま現在のすがた
ふたつと無い
したたりおちる 水の記憶
いつだって私をめぐり通りすぎていく
あなたと出あった、その日
影よ
光に伸びる光尽きるまで
脈脈とわき出る光
宇宙の心臓だ
失くすことのない自恃だ
青い空よ
ふたたび舞いおりる羽が、と まる
白い時の流木はいきつくことのないやすらぎ
やすらぎ冴えずり
存在の幽かな証明私は影
影従の
有形の門をとおる ふるさと
いくたびも、おもい出す。
光子を生みおとしたあなたは
もういない、そこには。
清らかに影がわかれをつげる。
いつまでも忘れられずに
うしなわれることは終らず、日がさし