「はじめまして。」と言う前に
もこもこわたあめ


「はじめまして。」君の口からその言葉が紡がれるのが

怖かった

君を見つめていた時間がすべて
君を包んでいた空間がすべて
君を中心にしてまわっていた
僕の幻想が

壊れてしまうから

君の瞳の見つめる先に
君の未来の待つ明日に
君の心の矢印が指し示す先に
僕の幻想が

現実になるから

幻想は幻想のままで
現実とは違う空間に漂って
僕の心に

残っていて

君はきれいだしその瞳はすごく澄んでいる
心も体も

僕は君が間違いなく好き

幻想はそのままで
君との別れがこないそのままで

あと、3秒
君とすれ違うまでの少しの

「はじめまして。」は言わないで。


自由詩 「はじめまして。」と言う前に Copyright もこもこわたあめ 2008-08-21 22:15:59
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