自殺
十二支蝶

解けてゆく心の模様が 肉片が
痛々しく千切れあって欲求不満の困惑で
さもしくワインを啜りながら 人が来るのを待っている

憶えている?
返したその言葉に 染み付いた私
助けて貰うの
輝きより救える快感

笑いながら憎む目線
手の平零した温かみより嬉しくて
微笑みながら暮れる左
手の平零した温かみより嬉しくて

眼の奥で君は揺れる裸の少女を待ってる
怪しまれぬように 貴方は紳士の振りして 抱き寄せている
もうすぐ月に隠れるほどに 君の幸せも尽きて逝く

笑窪を尖らせながら愁む目線
手の平零した哀しみより温かく
彼女の体を握る欲
手の平零した哀しみより温かく

必死で繋ぎ定めようとしている
胸が張り裂ける方 誰が来る訳でも無く
反応する私の手 薬指に黒夢を抱く

笑いながら憎む目線
手の平零した温かみより嬉しくて
微笑みながらくれる左
手の平零した温かみより嬉しくて

微笑みながら傾く人 手の平零した哀しみより暖かく




自由詩 自殺 Copyright 十二支蝶 2008-08-12 13:20:32
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