夏の闇
さかまき
虹色の雲を見ている
水気の多い風が肌を撫ぜるから
夏の木陰で光のなかを見る
まぶしいほどの光量が影を真っ黒に染めている
冬の薄闇よりも一層黒いのに
その闇の黒さは目に見えるのに
水気の多い風が吹くので
私は夏の日の陰で心地良い
朝露に朝日がきらめき
太陽がいま上がっていく予感が胸を締めつける
夏の木陰は人の心の黒さなのだろうと思う
喧騒と静寂の同居するこの空間の闇は
いつまでも時が止まったままだ
自由詩
夏の闇
Copyright
さかまき
2008-07-30 21:04:21