シンクロニシティ
rabbitfighter

今は何でも許される時代だから、ここは誰でも受け入れる場所だから、だから、生きることは困難だと感じてしまうんだね、言葉について、僕は語りたい、言葉と、言葉が象る事のできるあらゆる事象について、とりわけ、優しさについて、悲しさについて、寂しさについて、痛みについて、憎しみについて、言葉はそれらを歪めてしまうだろうか、だけど言葉を、許してあげてほしい、言葉を。

シンクロ二シティ、

まだ夜は明けない、明かりを消したら、これは、宇宙の色、

シンクロ二シティ、

吸った憶えのない、煙草の灰が、灰皿に溜まっていく、
それでもまだ、夜は明けない、

シンクロ二シティ、

暗い部屋の中を、その暗闇の中を、僕たちの周りを、
足音も立てずに猫たちが巡る、太陽を巡る地球のように、地球を巡る月のように、月を巡る人工衛星のように、原子核を巡る、電子のように、巡る、巡る、巡る、それは、

シンクロ二シティ、

言葉を許してほしい、いつか、満たされた水を花が吸い尽くして、その花が枯れてしまっても、その心に、声にならない、言葉を満たして、体は熱を失い、吐息は湿度を失い、言葉が音を失っても、沈黙の中に揺らぐ、硝子に透ける、底で戯れる、光を何度も、

何度も、何度も、巡る猫たちの、眼差しの奥にある、言葉を許して。


自由詩 シンクロニシティ Copyright rabbitfighter 2008-07-23 01:15:51
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