ALL GENTLMEN PREFER AFFTER EFFECTS
aidanico

夏と云うこの狂おしい季節を盗む気で居るのだ
この計画は必ず誰にも知られないうちに
遂げるのだ色濃く伸びる影に身を潜ませ
澄ますのだ喧騒に気を捕らわれないように

滴る汗を拭ってなどいられない
逃げ出す糧を失っては逃れられない

魅せろ 誰よりも美しく奪ってこの手に
入れろ 幾つよりも今が息づいているのだと
示せ 俟つよりも憬れるよりも確かな時
刻め 足跡が焼け付いて砂に融けるまで

君と云う所謂たどたどしく叉覚束無い存在は
この灼熱を消化するのに屹度耐え切れない
守るのだ高級な「少女」の銘柄を
図るなよ目合いを奴等は中々粘着質な生き物だ

終値を手前で決めては勿体ない
剥げ出す頃には始末してお出でさあ

極めろ 誤解も愉快も総て攫ってこの手が
後ろに回ることを恐れるな太陽が照らしている内は
寧ろ 此方に分があると思え目の前を
陽炎が通ったら其れが何よりもの暗幕さ 

藪の中燃える裸敗れたか答えは未だか
何時頃か私些かだった三日三晩夜毎絶えず
若人か此の肌か忘れた鴨だったかどうか
「…直ぐに行かないと蒸発してしまうよ!


自由詩 ALL GENTLMEN PREFER AFFTER EFFECTS Copyright aidanico 2008-07-21 00:28:55
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