白線の上
蒼木りん

いまは
白線の上にいて
アスファルトのはずのあの灰色は
落ちたら
池みたいに
わたしを吸い込んでしまうんだろう
あるいは
どこまでも底のない空の上の
飛行機雲
突然途切れて
飛び込むしかない
道のない
何もすがるもののない空間に

ひとり歩き
どこまでも
ひとり歩き

後戻りして道を探すとか
助けを呼ぶとか
そんな頭はないから
白線でなかった白線を
ただの白線に戻して
アスファルトに落ちる
落ちていくはずのない舗装道
落ちざるを得ない灰色
そのときに見た
一瞬の蜃気楼
ガソリンの雨が降ったら
地球なんて
一瞬で燃え尽きてしまうだろうに



自由詩 白線の上 Copyright 蒼木りん 2008-07-10 23:53:06
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